COLUMN

EN | JP

FabOT (ファブ オーティー) の紹介
A quick introduction of "FabOT"

revised: 2020 / 11 / 23 (issued: 2020 / 06 / 11 )

FabOTとは

FabOTとは、「Fabrication(つくること)」と「Occupational Therapy (作業療法)」を掛け合わせた造語です。私たちが目指す FabOT の活動をご紹介します。


FabOT の目指す「つくる」

FabOT が目指す「つくる」は次の 3つがあります.

  1. 道具や物を「つくる」
  2. つくる仲間を「つくる」
  3. つくる場を「つくる」


FabOTの活動
− WORK SHOP −

3Dプリンタの使い方のワークショップを定期開催しています。
修了書付き研修コースもあります!

ワークショップはスキルの獲得・向上やネットワーキングを目的に開催しています.獲得したスキルはメイカソンの場で活かされたり,またメイカソンの参加をきっかけに興味を持った方がワークショップに参加されます.


FabOTの活動
− Make-a-thon −

障害のある当事者の方をチームメンバーに据え、その人が本当に欲しい道具を3Dプリンタなどのデジタル工作機械も活用しながらつくるイベントです。世界中の必要な人が使えるように、道具のデータはオープンソースとして公開しています。

メイカソンでは障害当事者やその支援者を「ニードノウア」としてチームの中心に位置付け,必要な道具や環境づくりについて検討,プロトタイピング (試作) を重ねます.


FabOTの活動
− Fab Care Japan −
(自助具などのケアに役立つ道具のシェアプラットフォーム)

作った道具のデータをオープンソースとして共有しているプラットフォームです。
作業療法士のみならず、障害のある当事者の方や、物作りが好きな方などが参加しています。食事や家事、コミュニケーション、移動など、カテゴライズしてあり、その名称の日本語で検索することができるものも多いです。

Thingiverse の Fab Care Japan グループはこちらからご覧ください.(別ウィンドウでリンクが開きます)

3D モデルシェアサイト「Thingiverse」内で運営している「Fab Care Japan」グループでシェアされている自助具


FabOTの活動
−簡易サポーターの製作−

必要な硬さで固定できるサポーターを3Dプリンタで作る取り組みを行なっています。

3D プリンタで作成したサポーターの例


3D プリンタでつくるサポーター

従来,3D プリンタで作るサポーターといえば,その人の手の形を 3D スキャンしてその形状をそのまま立体で出力するものが多いようです.

私たちのサポーターは,一旦平面形状でプリントしたものを事後的にドライヤーなどの熱で温めて,一人一人にぴったりな形にフィッティングする方法を採用しています.この方法では,3D プリンタで印刷する際の充填率や充填パターンなどを活用し,必要な伸び率や弾力,通気性を伴うサポーターを製作することができます.
現在,素材であるフィラメントはユニチカ株式会社の協力を得ており,市販品での製作のほか,ラボで開発中の素材を用いて試作をすることもあります.


3D プリンタでつくるサポーター

面状にプリントすることの利点は以下にまとめられます

  1. プリント時間を少なくすることができる
  2. 立体でプリントする際に必要になるサポート材を必要としない
  3. 3D スキャナーや専用ソフトなどの用意や活用スキルが必要ない
  4. 作業療法士にとって、手順に馴染みがある
  5. 機能変化に合わせてフィッティングし直すことができる

3D プリンタで作成したサポーターの例


FabOT の活動
− FabOT International Meetup −

世界各国でケアやリハビリの現場で 3D プリンタで自助具をつくるなどの活動が広まっており,海外のセラピストとの情報交換を進めています.
これまでの開催実績:

  • Polé Ergo (France)
  • 長庚大学 (Taiwan)
  • Rehab Lab (France)
  • Autofabricantes (Spain)
  • OT Morphosis (Indonesia)
  • Stanbridge Univ. (USA)

ほか

インドネシアの作業療法士のグループ OT Morphosis 主催の FabOT 講座にオンラインで講師として参加した際の様子