COLUMN

EN | JP

創作や表現活動を楽しむためのFabrication
「作業療法」とファブリケーション-2

revised: 2018 / 06 / 07

INFORMATION

ファブラボ品川 ディレクター
一般社団法人 ICTリハビリテーション研究会 代表理事
作業療法士
林 園子

さあ、今日のお話はこちら⭐️
「作業療法」とファブリケーション

「作業療法」とファブリケーションは、とても深い関わりがあり、それは大きく3つにカテゴリ分けできると考えます。
#1:創作や表現活動を楽しむためのFabrication
#2:環境の工夫の一環としてのFabrication
#3:人びとがつながるためのFabrication

今日は一番はじめの、
#1:創作や表現活動を楽しむためのFabrication
についてお伝えしたいと思います。

「創作活動や表現活動を楽しむ」はひとにとってどのような意味があるか?
についてまず考えてみたいと思います。

前回、人々にとって「意義のある作業活動」の例を下のように挙げました。
①日常生活動作(排泄、食事、入浴など)
②日常生活関連動作(料理、子育て、仕事、買い物、掃除など)
③趣味活動(スポーツ、ゲーム、手芸、園芸、アート制作など)

①や②の方が、「生命」や「くらし」を維持していくために必要そうなので、③の内容に値する「創作活動や表現活動を楽しむ」活動は、少し贅沢に思えることもあるかも知れません。
でも、私たちセラピストは勉強しました「発達学」。
ひとはその成長の過程において、「ひたすら好奇心の趣くまま、環境に対して自分が起こしたアクションが還って来ることを繰り返し楽しみ、学習すること」が、身体・心理・社会性の発達に必要不可欠であること。
「もっと創りたい、楽しい」という気持ちと「達成感」なしには、ひとは健全に学習し続けることのできない生き物だと思います。
それは発達途中の子供だけではなく、「傷」や「障害」により、もう一度新しい生き方を選ばなくてはいけなくなってしまった「大人」も同じではないでしょうか?いえ、「傷」も「障害」も関係なく、全てのひとにとって、必要ですよね。

そしてもう一つ。
「創る」「表現」することは「伝える」ことでもあります。
社会的な生き物である「ひと」にとって、「伝える」という行為は、遺伝子に深ーく刻み込まれている欲求だと言われています。自分の気持ちや必要な情報を他者に伝えることにより、安全を守り、食べ物を得、種族を守り伝えてきた「ひとの本能」であると言えると思います。

だから私たちは、障害あるなしに関わらず、全てのひとが、「創作活動や表現活動を楽しむ」環境を得られるべきと考えます。Fabricationはその手助けができます。

どうやって、手助けできるか聞きたい? 
そのあたりはまた次回のお話で⭐️